miracles happen

{pebble & twig}

Bagdad Cafeの駐車場で拾った小石と小枝を見ると、ほんの数日前なのに何だか遠い日の出来事の様で、ちょっと寂しい。

今週は忙しくなる予定なので、週が明けてもまだbagdad cafeの余韻に浸っている場合じゃないんだけど、昨夜、映画を観てまたオットと2人、盛り上がってしまった。

で、忘れないうちに、カフェに行った後の事を。

カフェからそう遠くない場所に、アンティークモールがあるのを発見したので、立ち寄ってみた。
前回、「物＜記憶」って書いたけれど、やっぱりね、気になるでしょ？

{♡ this car}

この錆びたイカしたトラックが目印。

思ったほど広くない店内は薄暗くて、所狭しと商品が並べられて置かれている。値段も都会より安いし、何より商品にクモの巣が張っていたり、近所の人が売り物のソファでソーダを片手にくつろいでいたり、ラフな感じがかなり好み。

そんなお店で見つけた物。

{measuring cup & stamp dispenser}

洗剤"Blue Cheer"のメジャーカップと、エステイトセールで見つけたのと同じu.s.mailの切手ディスペンサートラック。

メジャーカップについて調べている最中に1950年代半ばの"Blue Cheer"の雑誌広告を見かけたので、その頃かそれ以降の物かも。

{blackboard}

幼稚園か小学校で使われていたと思われる黒板。

反対側には11~20と書かれていて、建物のイラストも可愛い、おまけに安かった、でも砂漠マジックが解けそうな今、果たして我が家に「本当に」必要な物なのか自信がなくなってきた。

ここの店主のおじさん、一見とっつきにくそうに見えるけれど、値段を聞くと300ドルとか1000ドルとか、典型的な親父ギャグをウィンク付きで返して来る話好きでフレンドリーな人だし、キャッシュで支払うとかなりディスカウントしてくれるので、近くをお通りの際は是非お立ち寄り下さいませ！周りには何にもないけど。





その後、サンディエゴに向かう途中に寄り道したスリフトストアで嬉しかった出会いがもう1つ。

{emilia dish}

Arabia "Emilia" dish

視界に入った瞬間に一瞬固まった後、忍者の如く小走りで駆け寄ったアラビアのエミリア、一辺が15センチ程の小ぶりで浅い三角ボウル。

フォルムデザインはKaj Franck、絵付けはRaija Uosikkinenによる1949~64年の作品。ライヤさんと言えば、イチゴのボウルやフィネルのハートボウルと同じデザイナーさんですね。

黒の細くて繊細なイラスト、せっかくなのでアップに。

{close up of emilia}

尖った口が口笛を吹いているようにも見えるエミリアさん、洋服も靴も花も自転車も、全てが愛らしい。

この器に何かを入れると可愛いエミリアさんが見えなくなってしまうので、たぶん、観賞用になってしまうと思うけれど、本やネットで目にするだけで、実際お目にかかる事はないと思っていたエミリアさんに会う事が出来て、私的にはちょっとしたミラクルだと思っていたんですね、この時点では。





充分楽しんだ後にしっかり仕事もして帰宅したら、ポストに小さな段ボールが。
ネットで何か注文した記憶もなく、おまけに差出人が無記名なのでちょっと気味悪かったけれど、思い切って開けたら、、、

{welcome back!}

な、なんと、1ヵ月前に失くしたオットのお財布が！！！

あまりにびっくりして私ったら、夜中に絶叫してしまいましたよ、、、。

現金以外のカード等も全てそのままの状態で戻って来たこのお財布、渡米直後にオットの友人が誕生日のプレゼントとしてわざわざ日本で買って来てくれた物。手にして以来、ずっと大事にして来たお財布だったけれど2度と目にする事はないと思っていただけに、オットも大喜び。

オットが言うには、無記名の差出人こそがこのお財布を拾った人で、使い古したお財布の中に現金はたったの7ドル、何だか可哀想になって、もしくは良心の呵責に苛まれて、免許証に記載されている住所にお財布を郵送してくれたんじゃないかと。

理由はこの際、どうでもいいのです。どこのどなたかわからないけれど、お財布を返してくれて本当にありがとう！

アメリカで落し物が返って来る確率ってかなり低そう、と言うよりお財布が返って来るなんて思いもしなかったのに、こんな事ってあるんだね。これが本当のミラクルかも。





こうして最後の最後に忘れられない出来事が起こり、中身の濃い2日間は幕を閉じたのでした。めでたし、めでたし。